趣意書

令和6年4月

「千年の旅」-トラベルデザイン事業を始めるにあたり-  

 

明治の開国時、日本を訪れた欧米の外交官や学者は、地方の景観や人々の暮らしそのものに美しさを見出し驚嘆しました。

その後の近代化で、郷土の面影は大きく損なわれてきましたが、インバウンドの到来で地方の魅力を再発見するという新たなチャンスが生まれています。

現在、日本各地で、観光資源を見直し、地域の経済や文化の再生を図る動きが活発化しています。

そこで、私たちは、地域のありのままの有形・無形の資源に、魅せる工夫をし、これを経済的価値へ転換するという「トラベルデザイン」に役割があると考えています。

トラベルデザインとは、定義すると「地域の観光資源(ヒト、モノ、コト)を探究し、新たな体験という価値を創造すること」となります。

トラベルデザイナーは、地域のコンテンツホルダー(観光資源の保持者)と共に、地元の魅力を引き出し、旅の体験商品を提供することを事業とします。

旅行者は、地域のストーリーテラーと土地の歴史や文化を語り合う中で、体験が深まります。私たちは、地元の人と遠来の人が、互いに古くからの友人と再会するような出会いを作ることを大切にしたいと思います。

「千年の旅」というタイトルは、地域で蓄積された時間的価値への敬意と、新しい出会いがこれから千年続いて欲しいという期待を込めて命名しました。

トラベルデザインを通して小さな渦を巻き起こし、日本各地の人々と繋がり、世界から訪れる人たちをもてなすこと、このことに取り組みたいと思います。

皆様のご支援、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 

「千年の旅-トラベルデザイン-」プロジェクト主宰 柳基善